=真澄記=
「うだで」とは(困った)の意味がある。
日照り続きの年がありました。村の田や畑はみな枯れてしまった。
人々は、小野小町に会いたくて、洪水で流され死んでいった深草少将の理にすがり、深草少将が植えた芍薬のあたりで集まり、「ことはりや日のもとなれば、、」と謡った。
すると、雨がすぐに降ってきてその効果(しるし)をあらわし給うたそうだ。
そこで、人々は小町姫へのお礼に供物を奉げ、女房やむすめの美しいものばかりを集めて歌を歌い、酒を飲んで賑やかにはやした。
すると、たちまちのうち空かき曇り、やおら雨が降り出してきた。
人々は急ぎ家に帰りましたが、雨は降り止むまず、畑の作物は波に揺られるように水浸しになってしまったそうだ。
雨はいつあがるかわからない。しかたがないので、人々は別の神様にお祈りして、やっとやや晴れてきた。
「これはまた、情けない小町だ」と言われたそうだ。
雄勝の小町塚
今に残る芍薬塚
深草少将の塚
二つ森遠景