はたはた

=真澄記= 
漁師が「はたはた」なる魚を商っている。見慣れない魚だ。 
この「鰰(はたはた)」なる魚は、冬の空かき曇り海が荒れるに荒れているところに、喜んで群れてやってくる。 
荒れる神として世に「はたた神(はたはた神)」といい、「はたはた」を指した。 
この空は南国の空とは異なる(低い空だ)。 
文字も魚を神を並べて書く。 

<広辞苑より> 
はた‐はた;物が当って続けざまに鳴る音。 
板戸などを続けて打ち叩く音。蜻蛉日記上「儺ナといふ物こころみるを、まだ昼より、こほこほ―とするぞ」 
手を打ち鳴らす音。大鏡花山「手をおびただしく―と打つなる」 
雷がはげしくとどろく音。 

はたはた‐がみ【霹靂神】;はげしくとどろく雷。 

はた‐はた【鰰・燭魚】;ハタハタ科の硬骨魚。口は大きく体には鱗がない。背部は黄白色で褐色の流紋がある。 
全長15センチメートル内外。北日本のやや深海に産し、11~12月産卵のため沿岸に群遊する時に漁獲。その季節によく雷鳴があるので、この名があり、またカミナリウオともいう。「しょっつるな べ」の材料とし、また卵は「ぶりこ」と呼ばれる。

海岸には受精卵のブリコが打ち上げられる

ハタハタ

真澄:ブリコ

真澄:ブリコ拾い


真澄:ハタハタのオス

真澄:ハタハタのメス

真澄:ハタハタ漁